軽自動車VSコンパクトカー!維持費とメリットデメリットを比較

軽自動車とコンパクトカー。日常使いの車の購入を検討する際に、必ず比較するのがこの2つです。
しかし、維持費については、比較するまでもなく軽自動車の方が安いと思いこんでいませんか。実は、細かく比較していくと軽自動車とコンパクトカーの維持費の差はそれほど大きくありません。それどころか、使い方によっては、コンパクトカーの方が、トータルの維持費が安くなる可能性もあります。
今回は、軽自動車とコンパクトカーの維持費について、徹底比較してみました。

軽自動車とコンパクトカーの維持費の内訳

軽自動車でもコンパクトカーでも、車を所有すると必ず一定の維持費がかかります。軽自動車とコンパクトカーの維持費はどの程度違うのでしょうか。
車を維持する上で必要になる、税金など法定費用を中心にご紹介します。

軽自動車の維持費

毎年必要となる自動車税は、軽自動車は一律年額10,800円です。
新車時や車検時には、法定費用として、自賠責保険料と重量税が必要になります。
自賠責保険料は、27,330円(37ヶ月分/2021年度)で、重量税は、エコカー減税と登録年度によって異なり、最大3年分で9,900円です。 また、車検時には別途整備費用や部品代などが必要になります。
法定費用以外に必要なのが、任意保険です。保険金額は、車種や年式、契約する保険プランによってさまざまですが、傾向としては、軽自動車の方がやや安いと考えて問題ありません。

コンパクトカーの維持費

コンパクトカーの自動車税は、排気量によって異なりますが、エコカー減税を考慮しない場合、排気量1,000ccまでが25,000円、1500ccまでが30,500円となります。
新車購入時や車検時に必要な自賠責保険料は、27,770円(37ヶ月分/2021年度)で、重量税は車種やエコカー減税によって異なりますが、1.5tまでのコンパクトカーの場合、7,500円(1tまで:50%減税)~36,900円(1.5tまで減税無し)です。
任意保険料は、車種や保険会社によって大きく異なります。

その他の維持費用は個人差の方が大きい

法定費用以外に車の維持費として必要な費用には、駐車場、燃料、日々のメンテナンス費用などがあります。 ただ、これらの費用は、車種による違いよりも、場所や乗り方など個人差が大きい費用です。 例えば、駐車場は軽自動車でもコンパクトカーでもほとんどの場合同額ですし、ガソリン代も車種と乗り方によって大きく変わってきます。

コンパクトカーより軽自動車の維持費が安いとも言い切れない

軽自動車の維持費は安いというイメージを多くの人が持っています。
でも、実際に比較してみると、税金など法定費用の差は思っているほど大きくありません。 また、車種と乗り方によってはコンパクトカーの方がお得になる可能性もあります。

税金の差は以前より小さくなっている

維持費で見た際に、軽自動車最大のメリットは税金の安さでした。しかし、近年その差は縮まっています。
自動車税を例に取ると、一律10,800円の軽自動車に対して、コンパクトカーは25,000円からなので、その差は15,000円ほどです。
また、重量税も車種にもよりますが、軽自動車とコンパクトカーの差額は、最小で1,000円強しかない場合もあります。

自賠責保険料の違いはわずか

車に乗る際に必ず加入しなければならない自賠責保険料を、新車購入時の37ヶ月で比較すると、軽自動車27,330円、コンパクトカー(普通車)27,770円と、わずか440円しか変わりません。
任意保険料は、保険会社、保険内容、車種、年齢によって変わってくるので、一概にいえませんが、軽自動車の方がやや安い傾向にあります。
しかし車両価格が高いと保険料も高くなる場合があるので、軽自動車であっても一般的なコンパクトカーより高くなる可能性が十分あります。

燃費の差で維持費が逆転する場合もある

車の維持費で無視できないのが燃料代です。ハイブリッド車が主流の現在では、コンパクトカーの方が燃費性能で有利な車種が数多くあります。
法定費用の維持費の差が縮まっているので、年間の走行距離によっては、軽自動車よりコンパクトカーの方がトータルで安くなる場合もあります。
ガソリンエンジン車が主流だった頃は、エンジンが小型な分、燃費性能は軽自動車が有利でした。しかし、ハイブリッド車の登場で立場が逆転。 軽自動車よりスペースに制約の少ないコンパクトカーの方が、より高性能なハイブリッドシステムを搭載しているケースが多く見られます。

軽自動車とコンパクトカーのどちらを選ぶべきか

税制の変更など、法定費用の差が縮まってきているので、軽自動車とコンパクトカーの維持費の差は以前よりも大きくありません。さらに燃費性能は、コンパクトカーの方がよい場合もあります。
軽自動車とコンパクトカーのどちらを購入するかを決める際は、維持費だけで選ぶのではなく、普段の使い方で選ぶことが大切です。

軽自動車は近場への移動がメインの人におすすめ

軽自動車は、スーパーなどへの買い物、子どもの送り迎えなど、比較的近場への移動がメインの方におすすめです。また、差が縮まったとはいえ、乗らなくてもかかる法定費用が安いので、毎日車に乗らない方にもおすすめします。
軽自動車最大のメリットは、車体が小さいことです。狭い住宅地や市街地などでも、取り回しのストレスなくどこへでも気軽に行けます。
逆にデメリットは、積み込める荷物に限りがあることや、長距離移動するには、やや居住性が悪いこと。さらに、乗車定員は最大で4名のため、5人以上家族がいる場合は軽自動車1台だけで過ごすのは難しいかもしれません。

コンパクトカーは日常的によく車を使う人

コンパクトカーは、休日のドライブや毎日の通勤など、日常的に使用しそれなりに距離を走る人におすすめです。 特に、燃費性能でも有利な車種も多いので、走行距離によっては、軽自動車より年間の維持費が安くなる場合もあります。
また、コンパクトカーは、軽自動車と比較して、居住性もそれなりに確保されていて、乗り心地がいいのもメリットの1つです。少し大きな荷物でも無理なく積み込めますし、車を運転する満足感も十分に味わえます。
デメリットは、ある程度の距離を走らない場合は、維持費だけで見ると、軽自動車の方が安い場合があることです。

気に入った車に乗るのが最も満足度が高い

軽自動車とコンパクトカーの維持費を比べる際、法定費用に関して単純にどちらが安いかといわれれば、軽自動車の方が安くつきます。 しかし、現在では、法定費用の差は以前より小さくなっている上、コンパクトカーの燃費性能が向上したことによって、トータル維持費は、一概にどちらが安いといえない状況になりました。
維持費を考える際は、どのような使い方をするのかを考えて、トータルの費用で比較する必要があります。
また、維持費は、車を購入する際に気になるポイントですが、車はそう何度も買い換えるものではありません。費用にばかりとらわれず、最終的には、自分が納得して満足できる車が、最適な車なのです。