【2021年最新】車検に必要な法定費用の金額と内訳

車検を受けることは車を所有する者の義務であり、公道を走る限り必ず受けなければなりません。しかし、車検を受けるためにはまとまったお金が必要で、次の車検でいくら掛かるのかというのは非常に重要なポイントです。
そこで今回の記事では車検の基礎知識として、どの業者に依頼しても価格差がない車検の法定費用について詳しく解説していきます。

法定費用とは?

車検には主に3つの費用が発生します。車検を業者に依頼する場合に支払う「車検基本料金」、点検の結果見つかった不具合の修理をするための「整備費用」、そして税金や保険などを含めた「法定費用」です。
法定費用は自動車重量税・自賠責保険料・印紙代の3つが挙げられ、金額は車両重量や車種によって違いがあります。また法律で定められた費用であり、業者が依頼主から預かるものなので、金額は一律で値引きはありません。
それでは、法定費用の内訳をさらに詳しく解説していきます。

自動車重量税とは?

自動車重量税とは車の重量に応じて税額が変動する税金です。自動車検査証(車検証)に書かれている初年度登録、車種、車両重量を基に税額が決まります。 そのため同一車名の車であってもグレードの違いなどにより重量が違うため、車種が同じでも重量税額が異なることがあります。
また、国土交通省の定めた自動車燃費基準を達成している車にはエコカー減税が適用されるため、車種によっては初回車検の自動車重量税が免税(0円)されます。
一方、初年度登録から13年以上経過、または18年以上経過した車は割増した税金が課せられます。
それでは、自動車重量税の金額を一覧で見ていきます。

重量税は初年度登録、車種、車両重量で異なる

普通車2年自家用(車検実施時)
車両重量 エコカー エコカー
(本則税率)
エコカー以外
右以外 13年経過 18年経過
0.5t以下 免税
0円
5,000円 8,200円 11,400円 12,600円
~1.0t 10,000円 16,400円 22,800円 25,200円
~1.5t 15,000円 24,600円 34,200円 37,800円
~2.0t 20,000円 32,800円 45,600円 50,400円
~2.5t 25,000円 41,000円 57,000円 63,000円
~3.0t 30,000円 49,200円 68,400円 75,600円

※2019年5月1日以降に登録された車の場合

軽自動車2年自家用(車検実施時)
車種 エコカー エコカー
(本則税率)
エコカー以外
右以外 13年経過 18年経過
軽自動車 免税
0円
5,000円 6,600円 8,200円 8,800円

※2019年5月1日以降に登録された車の場合

自賠責保険料とは?

次に必要な法定費用として挙げられるのが自動車損害賠償責任保険、通称「自賠責保険」です。
自賠責保険とは、自動車損害賠償保障法に基づき、自動車および原動機付自転車を使用する際、所有者に加入が義務づけられている損害保険のことで、事故における被害者救済の視点から設けられました。 自賠責保険は必ず新たな車検満了日までをカバーしていなければならず、自家用乗用車の場合は車検の更新期間が2年のため自賠責保険は24ヶ月加入することになります。

しかし、ここで注意しておきたいポイントが車検証と自賠責それぞれの有効期間満了のタイミングがずれているということです。 車検証の有効期間は満了日の24時までで、自賠責は満了日の正午12時までが有効期間と定められています。 つまり、車検証に記載された満了日と自賠責保険証に書かれた満了日が同日だった場合、自賠責の方が半日早く切れてしまうことになるのです。
ところが、先述したように自賠責は車検証の有効期間をすべてカバーしていなければなりません。そのため、通常は車検満了日より、少なくとも1日以上自賠責の有効期間が長くなるように加入します。 新車購入時や車検切れの状態から新たに自賠責保険へ加入する場合は新車購入時37ヶ月、車検時25ヶ月となり、それぞれ1ヶ月分の保険料が上乗せされた保険料を支払わなければなりません。

自賠責保険料は加入時期によって異なる

2020年3月までの自賠責保険料
保険期間 37ヶ月 36ヶ月 25ヶ月 24ヶ月
自家用乗用車 30,170円 29,520円 22,210円 21,550円
自家用軽自動車 29,550円 28,910円 21,780円 21,140円

自賠責保険料はノーロス・ノープロフィットの原則に基づき、利益も損失も出さないように調整されます。2021年4月1日以降に加入した場合は下記の保険料になります。

2021年4月以降の自賠責保険料
保険期間 37ヶ月 36ヶ月 25ヶ月 24ヶ月
乗用車 27,770円 27,180円 20,610円 20,010円
軽自動車 27,330円 26,760円 20,310円 19,730円

印紙代とは?

印紙代には印紙と証紙の2つが含まれており、車検に関わる手数料の支払いに使用されます。印紙代は依頼先や車種によって金額が違いますが、大きな金額差はありません。

印紙代
依頼先 車種 印紙代
指定工場 軽自動車 1,100円
その他の自動車 1,200円
認証工場 軽自動車 1,400円
自家用乗用車3ナンバー 1,800円
自家用乗用車5ナンバー 1,700円

指定工場は自社で検査を行える設備を有しているため、陸運局に車を持ち込まなくても自社で車検を終えることが可能です。
保安基準適合証を交付することもできるため、証紙代が掛からず認証工場よりも印紙代が安くなります。

車種ごとの法定費用一覧

ここまでご紹介してきたように、車検の法定費用は車種や重量、初年度登録年月日によって金額が変わります。 そのため、自分の車の車検法定費用はいくらなんだろうか?とイメージしにくいという方も多いのではないでしょうか。
そこで、代表的な車種をご紹介しつつ、車両重量ごとに車検法定費用の目安をご紹介します。 なお、下記車検法定費用の合計は自動車重量が税本則税率、自賠責は2021年4月1日以降の24か月、印紙代は認証工場に依頼した場合の金額です。

車両重量ごとの車検法定費用の目安
車種 車種例 法定費用合計
軽自動車 タント、ワゴンR、N-BOXなど 26,130円
小型(車両重量:~1.0t) アクア、フィット、デミオなど 31,710円
中型(車両重量:1.0~1.5t) プリウス、カローラ、フリードなど 36,710円
大型(車両重量:1.5~2.0t) RAV4(ガソリン)クラウン、オデッセイなど 41,810円
特大(車両重量:2.0~2.5t) ランドクルーザー、レクサスLX、アルファードハイブリッドなど 46,810円

※上記車種は一例です。同一車種であってもグレードにより車両重量は異なります。

車検満了日間近で慌てないように事前準備をしておこう

車検は満了日の1ヶ月前から受けることができ、車の購入店舗や以前車検を依頼したことがある店舗から車検の案内ハガキが届くと思います。 そのハガキには車検にかかる法定費用の合計が記載されている場合が多く、内訳を簡単に知ることが可能です。
しかし車検は法定費用以外に点検費用やメンテナンス費用が掛かります。急な出費に慌てることがないよう、事前に基本車検料金や整備代などの見積もりを取っておきましょう。