車を持つなら絶対必要!6つの維持費
自家用車を持つ場合、購入するだけの費用だけではなく、愛車を維持していく“維持費”が必要です。車を購入しようと思うと、つい欲しい車の価格にばかり目が行きがちになりますが、維持費が家計に負担を掛け過ぎてしまうと、せっかく買った車を手放すことにもなりかねません。
そこでまずは、車を維持していくために必要な6つの費用について見ていきましょう。
購入費用
新車、中古車を問わず、車を購入するときには車両本体の価格と別に、登録費用や整備費用などの手数料が必要です。車には必ず所有者と使用者が存在し、その車の保管と納税の義務を負うため、どこの誰にその責任があるのか、そしてどこに保管されているのかを明確にするため、普通車(登録車)であれば都道府県単位で登録し、軽自動車であれば市区町村単位に届け出なければなりません。
そのほか、中古車を購入する場合は、購入しようとする中古車の経過年数と課税基準額によって取得税が掛かります。また、新車を購入する際の取得税は、2019年10月に消費税が10%になったタイミングで廃止され、代わりに環境負荷軽減に応じた環境性能割という新たな税金が必要です。
車両本体価格以外にかかる費用一覧表
新車購入時の費用
車両本体価格 | 車両そのものの価格 |
---|---|
付属品 | ディーラーオプションなどの費用 |
税金(法定費用) | 自動車税(軽自動車税)や環境性能割など4種 |
自賠責保険料 | 必ず入らなければいけない強制保険 |
販売諸費用 | 登録作業や車庫証明などの代行手数料など |
リサイクル法関連費用 | リサイクル料金 |
中古車購入時の費用
車両本体価格 | 車両そのものの価格 |
---|---|
納車整備代 | 納車するための整備費用(車検切れの場合は車検代) |
税金(法定費用) | 自動車税(軽自動車税)や環境性能割など4種 |
自賠責保険料 | 義務付けられている保険と任意で加入する保険 |
販売諸費用 | 登録作業や車庫証明などの代行手数料など |
リサイクル法関連費用 | リサイクル料金 |
一年に一度必ず支払う税金
車は一切走っていなくても、所有(使用)しているだけで税金を支払わなければなりません。納税の義務があるのは、その年の4月1日の時点で所有(使用)者になっている人で、5月末日までに決められた税額を納付します。
自動車税
普通車(登録車)に課せられるのは自動車税で、用途や排気量によって税額が決まります。ただし、車の燃費性能や新車登録時期によっても税額が異なるため注意が必要です。
詳しくは下記表を確認していただければわかりますが、大まかに言えば、環境負荷が小さく燃費性能に優れており、年式が新しければ新しいほど優遇されます。反対に、普通車(登録車)のガソリン車やLPG(天然ガス車)の場合は11~13年、ディーゼル車は13年以上経過すると重課(値上げ)されてしまうことも覚えておきましょう。
自家用乗用車の自動車税
用途区分(総排気量) | 新車登録時期別の税額 | |
---|---|---|
2019年9月30日以前 | 2019年10月1日以降 | |
1リットル以下 | 29,500円 | 25,000円 |
1リットル超~1.5リットル以下 | 34,500円 | 30,500円 |
1.5リットル超~2.0リットル以下 | 39,500円 | 36,000円 |
2.0リットル超~2.5リットル以下 | 45,000円 | 43,500円 |
2.5リットル超~3.0リットル以下 | 51,000円 | 50,000円 |
3.0リットル超~3.5リットル以下 | 58,000円 | 57,000円 |
3.5リットル超~4.0リットル以下 | 66,500円 | 65,500円 |
4.0リットル超~4.5リットル以下 | 76,500円 | 75,500円 |
4.5リットル超~6.0リットル以下 | 88,000円 | 87,000円 |
6.0リットル超 | 111,000円 | 110,000円 |
軽自動車税
車種によって税額が変わる普通車(登録車)に対して、軽自動車は一律で税額が決められています。普通車(登録車)と同じように、新車登録年月日や環境負荷性能によって税額が異なり、2015年3月31日以前に新車登録をされた軽自動車は7,200円。2015年4月1日以降に登録された軽自動車は10,800円です。また、登録から13年以上経過すると約20%重課(値上げ)されてしまいます。
軽自動車の自動車税
総排気量 | 新車登録時期別の税額 | |
---|---|---|
2015年3月31日以前 | 2015年4月1日以降 | |
軽自動車 | 7,200円 | 10,800円 |
車検費用
車を所有していれば絶対に避けることができない車検。3ナンバーや5ナンバーの自家用乗用車は、新車登録時から3年目に初回の車検を迎え、以降は2年ごとに車検を受けなければなりません。4ナンバーや1ナンバーの自家用貨物車は、初回車検は新車登録から2年目、以降は毎年車検を受ける必要があります。
ディーラーや整備工場などに車検を依頼した場合の費用は、重量税や自賠責保険などの諸費用のほか、法定点検費用や車検整備費用、完成検査料などの費用が必要です。
実際の費用は、車種やその車の程度によって大きく変わる可能性があるため、しっかりと見積もりを取り、整備内容の説明を受けるようにしましょう。
下記では、代表的な車検費用をご紹介しています。
車検費用の内訳
車両重量~1.0t | 車両重量~1.5t | 車両重量~2.0t | 軽自動車 | |
---|---|---|---|---|
24ヶ月点検 基本料金 |
17,600円 | 18,857円 | 23,676円 | 15,400円 |
継続検査料 | 11,000円 | 11,000円 | 11,000円 | 11,000円 |
手続き代行料 | 11,000円 | 11,000円 | 11,000円 | 11,000円 |
自動車重量税 | 16,400円 | 24,600円 | 32,800円 | 6,600円 |
自賠責保険 | 21,550円 | 21,550円 | 21,550円 | 21,140円 |
印紙代 | 1,000円 | 1,000円 | 1,000円 | 1,100円 |
合計 | 78,550円 | 88,007円 | 101,026円 | 66,240円 |
※上記車検費用は新車登録から13年未満、エコカー以外
※令和元年10月1日以降の費用
任意保険
新車購入時や車検時に支払う自賠責保険とは違い、ユーザー自身が損害保険会社などと契約して加入するのが任意保険です。費用は車種や加入者の年齢、加入するプランや補償範囲によって大きく異なります。
“任意”という名前のとおり、加入するかどうかはユーザー自身の判断にゆだねられており、加入していなくても罰則はありません。しかし、事故を起こしてしまった場合の賠償費用は高額になるケースが多く、万が一人の命を奪ってしまった場合などの賠償費用は億を超えることも珍しくないため、加入することを強くおすすめします。
メンテナンス費用
車は買って終わりではなく、車検以外にも消耗品の交換をはじめとした、定期的なメンテナンスが欠かせません。定期的なメンテナンスが必要な消耗品は以下の通りです。
エンジンオイル
車種により違いはありますが、エンジンオイルの交換目安は5,000kmまたは、6か月です。価格は軽自動車で2,000~4,000円程度、排気量の大きなSUVなどの場合は8,000~10,000円程度の費用がかかります。
バッテリー
使い方によって寿命は変化しますが、エ1回の走行が10km未満の近距離移動が多い方や、1か月に1、2回程度しか乗らないという場合、バッテリーの交換目安は2~3年。価格は数千円から35,000円程度で車の性能(アイドリングストップ、サポカー機能の充実など)により、バッテリーの価格が高くなっていきます。
ワイパー
ワイパーの消耗は、主に車の保管状況に大きく左右されますが、いつでも快適でクリアな視界を維持するためには、半年~1年程度で定期的に交換しましょう。一般的な国産車の場合、ワイパー交換の費用はワイパーゴムだけで1本数百円、ブレードと呼ばれる骨組みごとの交換は1000円程度が目安です。
その他にかかる費用
上記の費用以外にも、車を使えば使うだけ掛かるその他の維持費です。住んでいる地域や時世によって相場は変動しますが、ある程度の目安は覚えておきましょう。
ガソリン代
当然のことながら、ガソリンは走ったら走った分だけ消費します。近年はハイブリッド車をはじめとしたエコカーが増え、1L当たり20km以上は当たり前となりつつありますが、平均として15km/L程度で試算しておくと、大体の目安をつかむことができます。
駐車場代
普通車(登録車)の場合は、その車が収まる保管場所(駐車場)を確保しなければ登録することができません。また、一部の地域では保管場所の届け出が不要である軽自動車でも、現在ではほとんどの地域で保管場所の確保は必須です。
駐車場代はお住いの地域によって大きく差が出てしまいますので、自宅に駐車しておけるスペースがない場合は、事前に調べておくと良いでしょう。
高速代
高速代は使い方によって金額は大きく違うため、なかなか定義するのは難しいポイントです。参考までにお伝えすると、福岡都市高速で630円、一部の高速道路を除き、普通車の通行料金は24.6円(1km)×距離+150で計算されます。そのため、片道50kmを高速道路で移動した場合、1,520円(10円単位四捨五入、消費税込み)です。
1年間にかかる車の維持費シミュレーション
ここまでお読みいただき、車にかかる維持費の概要がつかめたところで、実際1年間でどの程度の維持費が必要なのかシミュレーションしてみたいと思います。
なお、シミュレーションの条件としては、2019年10月以降に新車を7年ローンで購入した20代男性(既婚、子供無し)、年間の走行距離は1万kmとします。また、使用環境や頻度によって金額が大きく異なるメンテナンス費用とその他費用については、シミュレーションに含めません。
1年間にかかる車の維持費シミュレーション
維持費項目 | 軽自動車 | 5ナンバーミニバン |
---|---|---|
購入費用(登録費用含む) | 30万円 (210万円の84回均等払い) |
50万円 (350万円の84回均等払い) |
自動車税 | ー | 36,000円 |
軽自動車税 | 10,800円 | ー |
任意保険 | 35,000円 | 70,000円 |
購入1年目の維持費 | 335,000円 | 570,000円 |
購入2年目の維持費 (例:エコカー減税50%適用) |
340,400円 | 588,000円 |
3年目以降、1年間の維持費 | 345,800円 | 606,000円 |
7年間の車検費用(3回) | 180,000円 (60,000円×3) |
360,000円 (120,000円×3) |
7年間の維持費合計 | 2,584,400円 | 4,548,000円 |
1か月の維持費(84か月) | 30,767円 | 54,143円 |
上記のシミュレーションで分かるように、車は乗っていなくても持っているだけで、軽自動車でも1か月30,000円以上、5ナンバーミニバンは50,000円以上の費用が掛かることが分かると思います。
また、上記シミュレーションにはガソリン代や駐車場代以外に、ローン金利も含んでいないため、実際には月にプラス10,000~20,000円程度の余裕を見ておくと良いでしょう。
車の維持費を知って自分に合った買い方を選ぼう
このように見ていくと、「車はやっぱりお金が掛かるなぁ」と二の足を踏んでしまうかもしれません。買った後に後悔しないためにも、毎月どのくらいのお金を車に回せるのかを把握し、その予算に合った車種や、買い方を選ぶことが大切です。
月の維持費が一定になるカーリース
上記はあくまでも中古車をローンで購入した場合で試算しましたが、もっと気軽に車を持ちたいという方には、個人向けカーリースの利用がおすすめです。
IDEXが提供している個人向けカーリースである「ラクのり」は、新車の購入にかかる費用に加え、自動車税(軽自動車税)や車検費用、一部のメンテナンス費用が月々の支払いに含まれています。そのため、大きな出費を伴う車検費用や基本的なメンテナンス費用が含まれていることで、月々の支払いが均等化され、より計画的に車を利用することが可能です。
契約終了時の残価精算の必要なし。そのままマイカーに!
一般的なリースでは、契約期間満了の時点で残価の清算が必要ですが、ラクのりではすべてのプランで残価設定を用意していないため、契約終了後にはそのままマイカーにすることも可能です。(7年契約の場合)
また、利用開始から5年以上経過していれば、車の返却か新車への乗り換えも可能なため、生活環境に合わせた車に乗り続けることができます。そのため、結婚や出産、さらにお仕事の転勤など、生活環境が変化しやすい若い世代の方にはおすすめの買い方なのです。