そもそも車検とは?
乗用車の場合、2年に1度(新車登録車は3年後)必ず受けなければならないのが車検です。
仮に車検切れの車両で公道を走行した場合は道路運送車両法違反となり、違反した場合は6点の違反点数、6ヶ月以上の懲役または30万円以下の罰金となります。
また、車検切れの車は自賠責保険も未加入というケースが大半です。自賠責保険未加入は、自動車損害賠償保障法違反として、6点の違反点数と1年以下の懲役か50万円以下の罰金が科せられます。
車検と自賠責保険の両方が切れていた場合の罰則
万が一車検と自賠責保険の両方が切れていた場合の違反点数と罰金については、道路交通法施行令で同時に2つ以上の違反行為をしたときは最も高い点数が適用され、同じ点数のときはその点数によるとなっているため違反点数は6点。
そして、刑法併合罪第47条では2つ以上の罪では重い方の刑の1.5倍の懲役または禁錮、さらに罰金は刑法併合罪48条で2つの罰金の合計以下と定められています。
つまり車検と自賠責保険の両方が切れていた場合の違反点数は6点となり、これまでの累積点数がない方は30日の免許停止、1年6ヵ月以下の懲役または80万円以下の罰金が科せられる可能性があるのです。
車検と法定点検の違いとは?
車検と法定点検は同じと認識している人がいますが、この2つはそもそも目的が違います。
- 法定点検:車の故障や不具合がないかチェック(点検)する
- 車検:道路運送車両法に基づき保安基準に適合しているかを検査する
主な法定点検には12ヶ月点検と24ヶ月点検があり、法定点検は受けなくても罪に問われることはありません。しかし、車検と24ヶ月点検は同時に行うことが望ましいとされ、国(運輸支局)が運営する検査場では点検実施の有無が確認されます。
車検は安全を保障するものではない
法定点検を受けなくても、現状で罰則などがあるわけではありません。しかし、なぜ車検と同時に行うことが望ましいのかというと、車検は車検保安基準に適合しているかどうかを検査するだけだからです。
つまり、検査時に基準を満たしていても、極端な例を挙げれば検査終了直後に不具合を起こす恐れがあるということです。そして不具合を起こした箇所がブレーキやハンドルなど運転に欠かせない箇所だったとしたら、その車は安全とは言えません。
安全安心なカーライフを送るためには、車検だけでなく法定点検をしっかり受けることがおすすめです。
車検に必要な書類とは?
車検を受ける方法は、大きく分けると下記の2通りがあります。
- 業者に依頼する車検
- 自分で運輸支局へ行くユーザー車検
この2つの方法によって必要な書類が異なります。また、普通車と軽自動車でも必要な書類が異なるため、書類に不備のないよう車検を受ける前に必ずチェックしておきましょう。
普通車の車検に必要な書類
それでは、車検に必要な書類を普通車と軽自動車に分けてご紹介します。まずは普通車から見ていきましょう。
自動車検査証(車検証)
車を購入すると必ず車検証が発行され、車検を受けると新しい情報が記載された車検証に変わります。車検証に書かれているのは、登録番号や車体番号、車検有効期限、所有者や使用者などその車に関する詳細な情報です。また、車検証は必ず車に携行しておかねばなりません。
自賠責保険証書
車検証と同じくらい重要な書類が自賠責保険証書です。自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)は、公道を走行する車は必ず加入しなくてはならない強制保険。車検では新たに発行される車検証の有効期間をすべてカバーした自賠責保険が必要になります。
自動車税納付書
平成27年4月以降は納税確認の電子化により、過去に未納や納税直後の車検などの例外がない限り、納税証明書の提出は省略できるようになりました。
しかし依頼する業者によっては、納税通知書についている「継続検査用」と書かれた納税証明書の提出を求められる場合があります。
【普通車】業者に依頼する車検の必要書類
- 自動車検査証(車検証)
- 自賠責保険証書
- 自動車税納付書 ※納税状況や業者による
普通車のユーザー車検に必要な書類
ユーザー車検に行く場合は上記の書類のほか、下記の書類が必要です。
継続検査申請書(専用3号様式)
車検証の情報を記載するための用紙で、車検に限らず再発行など車検証を発行する際に必要です。運輸支局の窓口で受けとるか、国土交通省のホームページからダウンロードしプリントアウトしたものでも使用できます
自動車検査票
検査の各項目に対し合否を記載するために使用し、保安基準に適合しない個所や書類に不備がある場合にはその内容が記載されます。継続検査申請書や重量税納付書と共に、運輸支局の窓口で受け取ることができます。
重量税納付書
重量税納付書は運輸支局のユーザー車検窓口に行けば貰うことができ、重量税を納付する際には印紙を貼り付けて使用します。
24ヶ月点検(12ヶ月点検)記録簿
24ヶ月点検や12ヶ月点検の後、点検内容や交換部品、修理箇所などを記載するための書類で、整備振興会で購入できます。
また、先述したように法定点検を実施していなくても車検を受けることが可能です。ただし、安全のため車検が終了したら法定点検を受けるようにしましょう。
自賠責保険証書 ※業者依頼と異なる点
業者に依頼する場合は手続きを任せることができる自賠責保険ですが、ユーザー車検の場合、事前に最寄りの保険会社や代理店に依頼し発行しなければなりません。
また、車検を受ける時は新しいものだけでなく旧の自賠責保険証書もあるか必ず確認します。自賠責保険証書がない場合には、車検期日をカバーした自賠責保険証書を発行してもらいましょう。
【普通車】ユーザー車検の必要書類
- 自動車検査証(車検証)
- 自賠責保険証書 ※新旧2枚が必要
- 自動車税納付書 ※納税状況によって省略可
- 継続検査申請書(専用3号様式)
- 自動車検査票
- 重量税納付書
- 24ヶ月点検(12ヶ月点検)記録簿
軽自動車の車検に必要な書類
普通車と軽自動車の車検内容は同じでが、軽自動車と普通車では書類の様式が違うので必ず事前にチェックしておきましょう。車検証や自賠責保険、自動車税納付書(継続検査用)は普通車と同じです。
自動車検査証(車検証)
軽自動車の車検証に書かれている記載事項は普通車と同じですが、普通車の車検証が青色に対し、軽自動車は緑色をしています。
自賠責保険証書
軽自動車も自賠責保険は必須で、普通車とは車種が違うため保険料も異なります。必ず車検証を提示して自賠責保険証書を発行しましょう。
自動車検査証(車検証)
軽自動車は普通車のように納税証明書の電子化はされていません。そのため、必ず継続検査用の納税証明書を提出しなければならず、紛失した場合には再交付の手続きが必要です。
【軽自動車】業者に依頼する車検の必要書類
- 自動車検査証(車検証)
- 自賠責保険証書
- 軽自動車税納付書(継続検査用)
軽自動車のユーザー車検に必要な書類
軽自動車でユーザー車検を受ける場合は、上記に加えてさらに3つの書類が必要です。
【軽自動車】ユーザー車検の必要書類
- 自動車検査証(車検証)
- 自賠責保険証書 ※新旧2枚が必要
- 軽自動車税納付書(継続検査用)
- 継続検査申請書(軽専用第2号様式)
- 重量税納付書
- 24ヶ月点検(12ヶ月点検)記録簿
普通車と同じ名称の書類がありますが、軽自動車と普通車では用紙が違うので注意しましょう。書類はすべて軽自動車検査協会の窓口で貰うことができます。
車検に必要な書類を紛失してしまったら?
継続検査申請書や重量税納付書などの書類は、依頼先の業者が用意してくれるか、ユーザー車検の場合は検査当日に窓口で入手することができます。
しかし、車検証や自賠責保険証書、軽自動車納税証明書を失くしてしまった場合は、事前に再発行しておかなくてはなりません。
車検証を失くしてしまった場合
車についたナンバープレートを管轄している運輸支局や軽自動車検査協会に使用者の印鑑、身分証明書、手数料を持参して再発行の手続きを行います。
普通車の場合は紛失した理由書も必要です。窓口に行けば理由書の用紙やOCRシート、手数料納付書が貰えます。
また業者に依頼することもできますが、運輸支局や軽自動車検査協会に払う手数料に加え、業者に支払う代行料が必要です。
自賠責保険証書を失くしてしまった場合
自賠責保険は車検証の有効期間をカバーしていないと車検は受けられません。
古い証書がない場合、身分証明書を持参して加入している保険会社に再発行を依頼します。自賠責保険に加入している保険会社がわからない場合は、前回の車検を受けた業者や車を購入した会社などに問い合わせましょう。
軽自動車税納付書を失くしてしまった場合
軽自動車の軽自動車税は、車検証に記載された住所の市区町村に納めます。そのため継続検査用の納付書を紛失した場合、軽自動車税を納めた市区町村役場に行って再発行手続きをしなければなりません。 市町村役場に行けない場合には、役場から郵送してもらうこともできます。